遠隔映像配信システムでスピーディーな保険金支払い
東京海上日動が、11月より遠隔映像配信システムを導入します。これにより海外での損害調査業務においてリアルタイムに現地の状況を把握することが可能となり、保険金支払いを迅速化できます。
増える海外進出企業
グローバル化に伴い、海外へ進出する企業が増え続けています。外務省の平成28年度「海外在留邦人数調査統計」によると、平成27年10月1日現在の集計で海外に進出している日系企業の総数(拠点数)は7万1129拠点で、過去最高数となっています。
海外進出している日系企業の約70%がアジアに進出しており、中国に進出している企業の割合は全体の約47%と特に多くなっています。「日系企業の中国離れ」というニュースも耳にしますが、まだまだ中国に進出する企業は多いのですね。
増える自然災害
さて、日本だけではなく世界的に自然災害が増加しています。日系企業が多く進出しているアジア地域でも、地震や台風、洪水などの大規模自然災害のニュースを耳にすることが多いですよね。
少し前の話になりますが、2011年に発生したタイの大洪水では工場が操業できなくなるなど日系企業も大きな打撃を受けました。
現地の状況がリアルタイムでわかる
遠く離れた海外で災害が起きた場合、状況を把握するには時間がかかります。そのため、どうしても保険金の支払いに時間がかかりました。
そこで現地の状況をリアルタイムで把握するために、遠隔映像配信システムを導入するとのことです。日本で現地の状況を即座に把握することで、保険金支払いに必要な損害調査業務も迅速に行えます。
保険金の支払いは、早いほうが良いですよね。
個人にも迅速に保険金を支払うシステムを!
現段階では、この遠隔映像配信システムの導入は法人契約向けですね。
同じシステムの導入は個人契約には無理ですが、長期間海外に滞在する個人(留学生など)向け海外旅行保険にもリアルタイムでやりとりができるシステムを導入して欲しいですね。
海外から保険金を請求する場合、現地のクレーム代理店で手続きをするので保険金の支払いまでに時間がかかります。個人の契約者の場合、保険金の支払いが遅いと生活にも影響が出てくるかもしれません。
加入者と保険会社が海外にいても直接やり取りできれば保険金の支払いがスピーディーにできるので、海外旅行保険でもそのようなシステムの導入を期待したいですね。
(以下はニュース記事からの抜粋です)
東京海上日動が遠隔映像配信システムを活用した海外での保険金支払い迅速化
東京海上日動は、海外での損害調査業務に、リアルタイムで高画質な映像を共有できる遠隔映像配信システムを 11 月より導入する。
遠隔映像配信システムの導入により、海外における大規模災害発生時に迅速な保険金の支払いを実現し、お客様の早期の事業復旧や事業継続に貢献する。
これまで、海外で台風や豪雨による冠水等の大規模災害が発生した際には、海外クレーム代理店(主に同社が損害調査を委託している先)や現地法人が損害調査・査定を実施した後、支払報告書を郵送し、日本の本店でその内容を確認して保険金を支払うなど、複数の工程を経てお客様に保険金を支払っていた。