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自賠責保険の制度が危うい!国が自賠責保険の積立金を返済せず!

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自賠責保険制度の存続危機 積立金が減少

自賠責保険
交通事故で重い障害を負った人の療養に充てる自賠責保険の特別会計の積立金が10年間で約37%減少しています。

積立金が減少し続ける原因は、1994年に積立金から国へ貸した6000億円以上が未だに返還されていないことです。国は2018年度末に返済するとしていますが、過去に返済を先送りにされた経緯もあります。

自賠責保険の積立金とは?

自賠責保険は交通事故被害者を救済目的とした対人賠償保険で、法律で自動車の所有者の加入が義務付けられています。保険料についても法律で定められているので、どの保険会社で加入しても同じですね。

自賠責保険の保険料は、保険料を徴収してから保険金を支払うまでにタイムラグがあるので運用をします。その運用益をプールしたものがここで問題となっている「積立金」です。

この積立金は「自賠責保険事業の収支改善の財源」となる他に、「自動車事故防止策」「救急体制の整備」「自動車事故被害者救済の必要経費」といった救済事業に使われています。

返還されない積立金

財務省は大切な救済事業に利用する積立金を、国の会計に借り入れたまま返済していません。返済しないのは財政が厳しいということでしょうが、無駄な人件費等を削れば返還できるのではないかと思います。

現段階では積立金を切り崩して従来どおりの事業を続けていますが、このまま返還されなければ10年ほどで積立金は尽きてしまうと推測されています。

低金利が続いているので運用益もさほど見込めない中、毎年積立金を切り崩している状況なので非常に厳しいですね。

早く返還を!

国は2018年度末までに積立金を返還するといっていますが、過去に3度も返済が延期されたことがあるので正直に申し上げると信用できません。

しかし、このまま返還されずに救済事業が継続できなくなれば、交通事故で重度の障害を負った方を救済する制度がなくなってしまいます。

自賠責保険料を支払っている人は、国にお金を貸すために保険料を支払っているわけではないので、早急に返還していただきたいですね。

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はるみ

はるみ

大学を卒業後、東京の損害保険会社商品部で勤務していました。 結婚後は別の保険会社のコールセンターでも働き、今も保険業界のライティング活動をするなど生命保険/損害保険に関わる仕事をしています。

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