生保営業職員の端末利用料が無償化へ
住友生命は、7月より営業職員から徴収しているタブレット端末の使用料を無償化することとしました。
大手生命保険会社では初の試みで、営業職員にとっては賃金の実質値上げとなります。
タブレット端末は営業活動に必須なのに、使用料が徴収されていた
多くの生命保険会社では、保険の契約取得や保全活動を行う営業職員を抱えています。
よく「生保レディ」と言われている方たちのことですね(実際は男性もいます)。
保険販売の営業活動を行うのに必須のタブレット端末ですが、この営業職員の多くが使用料を徴収されています。
会社のために営業活動を行っているのに、営業に欠かせない端末に使用料を支払わされるなんて、なんだかおかしな感じですよね。
住友生命ではこの端末使用料を廃止するとのことです。
月々徴収されていた使用料が廃止となるので、その分実質賃金が上がることとなります。
営業職員は歩合給であることが多く、成績が悪いとお給料が非常に低いこともありますから、たとえ少額であっても実質賃上げはうれしいですね。
端末使用料だけではない。営業職員の自己負担
さて、一般的な生命保険会社の営業職員には、端末使用料以外にも様々な自己負担があります。
例えば、営業活動に必要な携帯電話代や契約のお礼の粗品代も営業職員の事故負担です。
また、保険会社の営業所までの交通費は会社から支給されますが、お客様宅への訪問の交通費も自己負担です。
このように自己負担が多いのは、営業職員が保険会社の社員ではなく「個人事業主」という扱いになっているからです。保険会社に雇われているわけではないのです。
個人事業主扱いなので、営業活動に関する自己負担が非常に多くなります。
私の母も営業職員として働いていたことがありますが、「こんなにがんばってもお給料がもらえないなんて可哀そう」と子供ながらに思ったことがありましたね。
確定申告をすればある程度は経費が戻って来るのですが、どんなに頑張っても成績を上げられなかったり、すぐに契約が解約されるとペナルティがあったりして、月のお給料がマイナスになってしまうこともあるようです。
営業職員の待遇改善は必須
個人事業主である営業職員は、保険会社によっては非常に都合の良い存在のように思えますね。
自社の保険を売ってくれるし、経費はほぼ負担しなくて良いですからね。
最近は生命保険でもインターネット専用商品が増えておりますが、保険期間の長い生命保険ではまだまだ「対面販売の方が安心」と考える人が多いと思います。
顧客を訪問し、親身になって相談に乗ってくれる営業職員は大切な存在でしょう。各保険会社は、大切な存在の営業職員の待遇をもっと改善しても良いのではないかと思います。
住友生命では端末使用料の無償化以外にも在宅勤務制度などを取り入れるようで、他社でもこのような動きが広がると良いですね。
(以下はニュース記事からの抜粋です)
住友生命が生保営業端末を無償化 大手初、実質賃上げ
住友生命保険が営業職員約3万人から毎月徴収しているタブレット端末の使用料を7月から無償化することが29日、分かった。
大手生命保険では初めての取り組みという。
保険商品の説明や契約に関する手続きに欠かせない商売道具を無料で使えるようにし、事実上の賃上げによって現場に奮起を促す狙いだ。