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一歩前進!自賠責保険の運用益が15年ぶりに一部返還へ

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自賠責保険の運用益、20数億円が返還へ

国の一般会計に繰り入れられていた自賠責保険の運用益の一部が返還される見込みです。

運用された自賠責保険料の運用益は国の特別会計に計上され、自動車事故被害者救済事業等に使用されているのですが、1994年・95年に国の財政難を理由として、運用益の中から1兆円超が一般会計に繰り入れられました。

一部は返還されましたが、未だに6100億円ほどが未返還のままとなっています。現在、自動車事故被害者救済事業は毎年100億円ほどの運用益を取り崩して事業を行っており、事業の継続は危機的状況となっています。

この状況を回避するために返還に関する覚書が交わされ、2018年度の特別会計に運用益の一部が返還される見込みです。

やっと一歩前進も、まだ安心はできない

11月9日のブログに、自賠責保険の運用益が未返還であり、自動車事故被害者救済事業の継続が危ぶまれていると記載しました。

自賠責保険の制度が危うい!国が自賠責保険の積立金を返済せず!

今回、運用益の返還に向けて動きがあってほんと良かったと思います。

ただ、返還に関する覚書を交わすのは今回で5回目です。過去に全額返還に関する覚書を4回も交わしていたにも関わらず、2003年に約6900億円が返還されて以降1円も返還されていません。

15年間1円も返還していない経緯があるので覚書を交わすだけでなく、実際に返還がされるまでは信用できないですね。

2022年度までに全額返還できるのか

覚書では2022年度に全額返還する事となっていますが、2018年度に特別会計に戻されるのはわずか20数億円です。

毎年、自動車事故被害者救済事業に100億円ほどの運用益を切り崩している現状を考えると、全然足りないですね。1円も返還されないよりはマシですが・・。

2019年度以降は運用益の切り崩し状況を見ながら返還額を増やしていくとの事ですが、予定通り完済できない場合は覚書を更新していくようです。

2018年度に20数億円が返還されても、6000億円余りが残っています。4年で返還できるのでしょうか。
おそらく無理でしょう。財務省側も無理だと思っているからこそ、覚書の更新について述べたのでしょう。

必ず返還して欲しい

覚書が更新できるからといって、以前のように返還を途中で止めることはしないで欲しいです。

もう、自動車事故被害者救済事業の継続は危機的状況です。事業の継続ができなくなると、交通事故被害者の方の負担が増えてしまいます。

自動車事故は他人事ではありません。誰もが交通事故の被害者になる可能性があるのです。

財務省は余計なことにお金は使わずに、期限までに必ず運用益の全額返還することを強く望みます。

(以下はニュース記事からの抜粋です)

<自賠責運用益>一部返還へ 交通被害救済の先細り回避

交通事故の被害者救済事業の財源として国の特別会計に計上されていた自動車損害賠償責任(自賠責)保険の運用益約6100億円が一般会計に繰り入れられたままになっている問題で、財務省と国土交通省は、特別会計に残った運用益を枯渇させないため一定額の返還を行うことなどを盛り込んだ覚書を18日に結ぶ。覚書を受けて財務省は15年ぶりに返還を再開し、二十数億円を2018年度の特別会計に戻す。19年度以降も返還を継続する方向だ。

未返還問題は、1994、95年度に旧大蔵省が「財政難」を理由に旧運輸省所管の特別会計にあった運用益の中から約1兆1200億円を一般会計に繰り入れたのが発端。運用益の原資は自動車ユーザーが支払う自賠責保険料で、専門病院の運営や在宅患者の介護料などに充てられている。

財務省はこれまで4回にわたり全額返還するとの覚書を国交省と交わした。しかし03年度までに利息を含む計約6900億円が戻った以後は1円も返還されず、期限の延長が繰り返されてきた。今も元本と利子を合わせて約6100億円が返還されないままだ。

このため自賠責の被害者救済事業は特別会計に残った運用益を毎年100億円 程度取り崩して継続されている。「このままでは十数年で運用益が底を突く可能 性が高い」との不安が被害者家族に広がっていた。

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はるみ

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大学を卒業後、東京の損害保険会社商品部で勤務していました。 結婚後は別の保険会社のコールセンターでも働き、今も保険業界のライティング活動をするなど生命保険/損害保険に関わる仕事をしています。

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