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認知症の家族の方も、やっと自動車保険で補償対象に!

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認知症の方の交通事故。監督義務者の損害賠償も補償

東京海上日動保険は2018年1月の自動車保険改定で、責任無能力者の監督義務者の損害賠償責任に対しても補償することとしました。

認知症患者と交通事故

高齢化社会が進むにつれて認知症患者も増加している日本では、認知症患者の交通事故のニュースもよく耳にすると思います。そして、認知症の方の事故は今後も増えると思います。

さて、認知症の方が交通事故(自動車事故)で加害者となった場合、従来の自動車保険では補償されないケースがありました。

責任無能力者に法的な賠償責任はない

認知症の方が自動車保険で補償さないのは「責任無能力者」と認められる場合です(軽度の認知症の方は、責任無能力者と認められないこともあります)。認知症の方を含む「責任無能力者」は法的な損害賠償責任を負いません

自動車保険の対人・対物賠償責任保険は、法的に損害賠償責任を負った時に保険金が支払われるものであるため、責任無能力者が事故を起こした場合は保険金が支払われません。

責任無能力者が起こした事故に関しては「監督義務者」が損害賠償責任を負うこともありますが、従来の自動車保険の約款では被保険者に監督義務者は含まれておらず、補償の対象外となっていました。

このような状況を考慮し、東京海上日動は監督義務者の損害賠償も補償するために約款を改定することとなりました。約款に「被保険者が責任無能力者である場合は、その親権者、その他の法廷の監督義務者および監督義務者に代わって責任無能力者を監督するもの(親族)」も補償する旨を明記しました。

この改定により、認知症の方と一緒に暮らす家族の方に安心感が少し増えますね。今後は他社も同様の改定をするでしょう。

時代に合わせて変わる保険

認知症の方を想定とした改定が行われたのは、自動車保険だけではありません。個人賠償責任保険に関しても、認知症の方のような責任無能力者が起こした事故を想定した改定が行われています。

最近では、2017年1月より一部の火災保険に付帯できる個人賠償責任特約で「線路立ち入りによる損害賠償」を補償できるように改定をした保険会社もあります。

従来の個人賠償責任特約では「他人を傷つけたり、財物を破損させた場合」が補償対象でしたので、線路立ち入りによる列車遅延等の損害賠償は対象外だったのです。

時代が変われば、従来は想定できなかった新しいリスクが生まれます。各保険会社は、新たなリスクに少しでも早く対応できる商品を開発して欲しいですね。大変だとは思いますが…。

(以下はニュース記事からの抜粋です)

認知症などの運転者が起こした事故で、監督義務者の損害賠償を補償へ--業界初

東京海上日動火災保険は、2018年1月に自動車保険を改定し、業界で初めて、責任無能力者が引き起こした事故で親族などの監督義務者が法律上の損害賠償責任を負った場合、監督義務者を補償の対象に含めると発表した。

高齢者による自動車事故がクローズアップされており、その中には認知症により、ドライバーの責任能力の有無が問題となるケースもある。ドライバーの責任能力が否定された場合、監督義務者が責任を問われる可能性がある。

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はるみ

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大学を卒業後、東京の損害保険会社商品部で勤務していました。 結婚後は別の保険会社のコールセンターでも働き、今も保険業界のライティング活動をするなど生命保険/損害保険に関わる仕事をしています。

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