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【損保で働く〜社員たちの不祥事〜】コンプラ嬢が見た!欲望にまみれた不祥事件簿

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保険会社社員が会社の口座から1000万円以上を不正に引き出して逮捕される

ある損害保険会社の社員が、2019年11月13日に有印私文書偽造・同行使・詐欺罪の容疑で逮捕されました。

逮捕された社員は、所属していた高山サービス支社(損害サービス部署)の支社名義の預金口座から不正に金を引き出していたとのことで、引き出された金額は合計で1,190万円になりました。

この保険会社はこの件を金融庁に不祥事件として届け出ています。

定期的に起きている社員・代理店の不祥事件。欲に負けて事件を起こしたケースも。

今回のように刑事事件に発展するような事件は少ないですが、どの損保会社でも年間数件ほどは何かしらの不祥事件が発生し、金融庁や財務局へ届出をしています。

不祥事件として届けられるのは保険業法等の法令に違反した行為があった場合です。

コンプライアンス部で勤務していた私が見た、実際に起きた不祥事件をご紹介します。

不祥事件その1:代理店で働き始める時の手続きミスによる不祥事件

代理店で保険の募集人(実際に保険の説明をして、手続き等をする人)として働き始める場合、募集人試験に合格した後に財務局に届出をしなければならず、届出が受理される前に保険の募集をした場合は、法令違反となります

しかし、「募集人試験の合格=保険の募集が可能」と勘違いをしてしまう人が多く、このケースでの不祥事件届出はどの保険会社もほぼ毎年発生していると言えるでしょう。

法人代理店のように、募集人を多く抱える代理店で多く発生する傾向にあります。このような不祥事件の場合、処分はそこまで重くなく、文書による厳重注意等が多いです。

代理店の担当者に対しては、「届出前の募集は厳禁である」ことを代理店へ徹底するように指導が求められます。

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不祥事件その2:無断契約に関する不祥事件

損保会社の不祥事件で意外とよくある不祥事件が「無断契約」です。
無断契約とは、契約者に契約の意思を確認することなく契約をしてしまうことで、満期後の更改契約で発生するケースが散見されます。

成績を確保するために無断契約を行う悪質なケースだけでなく、保険の満期直前まで契約者と連絡が取れず、満期後に契約者が無保険になる状態を憂慮して無断で契約手続きをしまうこともあります(自動車保険に多いですね)。
更改手続きをした覚えがないのに、保険証券がお客様の自宅に届いて発覚するケースがほとんどです。

悪質な理由だろうが善意だろうが、契約者の意思を確認せずに契約手続きをすることは違反行為なので、不祥事件として届けられます。

届出後の処分は無断契約の件数等にもよりますが、文書による厳重注意が多いです。
ただ無断契約を何件も行なっている場合はもう少し処分は重く、代理店の場合は委託解除になることもあります。

不祥事件その3:お金に絡む不祥事件

今回のニュースの事件のように刑事事件に発展するケースは稀ですが、損保会社も金銭を扱う以上、お金がらみの不祥事件が少なからず発生しています。

一番多いのは自賠責保険料の費消・流用です。
費消とは「お金を別の目的に使ってしまうこと」、流用は「お金を別の目的で使用した後に、戻すこと」です。

最近は現金を扱うことは少なくなってきていますが、自賠責保険料はまだまだ現金扱いが多いです。

代理店が契約者から徴収した自賠責保険料を費消・流用するほか、代理店へ保険料を回収に来た営業担当社員が費消・流用するケースも見られます。

所定の日までに保険会社の口座に保険料が入っていなかったり、領収書に不自然な数字が書かれていることで発覚することが多いです。

お金が絡むと処分も重く、代理店だと委託解除、社員だと降格や解雇といった処分が下されることもあります。

不祥事件その4:保険料が間違いの不祥事件

あまり多いケースではありませんが、保険会社が保険料の算出を誤ってしまい、不祥事件になるケースもあります。

金額が小さければ保険始期日に遡って契約を訂正し差額を追徴や返金すれば良く、不祥事件の届出までにはなりませんが、大口契約で何年にも渡って保険料が誤ったまま契約をしていた場合は、不祥事件として届け出ることもあります。

不祥事件その5:保険金支払いに関する不祥事件

損保会社の社員が起こす不祥事件で1番多いのが、保険金支払いに関する不祥事件でしょう。

その中でも、保険金の支払い遅延による不祥事件が多くを占めています。

不祥事件となるのは、故意に保険金の支払いを遅らせ、契約者等に不利益を被らせるケースです。
故意に遅らせる理由は様々ですが、自身のミスを隠すために書類を届いていないことにしたり、契約者等とのトラブルで相手を困らせようとしてわざと保険金請求の手続きを行わないなど、信じられない理由で保険金支払い遅延を発生させる社員もいます。

このような場合の処分はとても」重く、出勤停止や減給、降格の処分が出ることもあります。
あまりにも悪質な場合は解雇されることもあります。

不祥事件は発生した後も大切

不祥事件が発生した場合、まずは同様の事件の有無とお客様への影響を確認し、影響がある場合はこれ以上被害が拡大しないようにします。

そして、同様の不祥事件が発生しないように再発防止策を策定し、実行に移します。再発防止策についても届出が必要となるので、とても重要です。

再発防止策では、事件を起こした当人だけでなく、その人が所属する部署全体で取り組みます。不祥事件を発生させたのが代理店の場合は、担当の営業店でも再発防止策を策定します。

起こってしまった不祥事件は仕方ありません。二度と同じことが起きないよう、仕組みを見直したり研修・教育を行っていくことが大切ですね。

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はるみ

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大学を卒業後、東京の損害保険会社商品部で勤務していました。 結婚後は別の保険会社のコールセンターでも働き、今も保険業界のライティング活動をするなど生命保険/損害保険に関わる仕事をしています。

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